名もない小児科医のつぶやき

名もない小児科医がひとり言をつぶやきます。

胃腸炎になった場合の3つのポイント!

本格的な冬が到来しました。
寒い冬は体を温めながら
部屋の中で過ごしたいものです。
 
さて、冬の病気と言えば
代表的なものとして...
インフルエンザウイルス感染症
思い浮かべるのではないでしょうか?
 
しかし今回は、そのインフルそっちのけで、
腸炎に注目していきたいと思います。
 
冬の胃腸炎
よく分からないなぁ??
夏っぽいけど... とお思いでしょう!
 
そうなんです、
冬も胃腸炎が流行るんです💦💦
乳幼児冬季下痢症とも言われまして、
ロタウイルスノロウイルスが有名です。
 
そして、もし胃腸炎になった場合に
どうしたらいいのかの
3つのポイントを
お話したいと思います。
 
とその前に、胃腸炎という病気はどんなもの?
という質問はありませんか?
それは、簡単に言うと「おなかの風邪」です!
 
ウイルスが腸管に悪さして
症状がでるとおなかの病気になるです。
 
具体的な症状は腹痛、嘔吐、下痢です。
熱はあってもなくてもかまいません。
 
少し細かい事ですが、
嘔吐と下痢があれば「胃腸炎
嘔吐だけなら「嘔吐症」
下痢だけなら「腸炎
ということもあります。
 
それら3つをすべてひっくるめて
おなかの風邪といいますが、
今回は「胃腸炎(嘔吐・下痢を伴う)」を
メインに3つのポイントを
お話したいと思います。
 
まず1つ目ですが、病院へ行くタイミングです。
腸炎になった場合、怖いのは脱水です。
病院受診は、脱水を防ぐことにあります。
脱水は嘔吐がひどい場合に
起こりますが、嘔吐の回数として
5~6回が嘔吐あれば脱水になる可能性があり
点滴治療が必要となるかもしれません。
10回以上嘔吐があれば
脱水がひどくなり、入院する可能性が高まります。
 
水分摂取しても吐き続ける場合、
嘔吐の回数が1日で5~6回あれば、
病院受診した方がいいでしょう。
夜の場合は、救急外来の受診をお勧めします。

2つ目は、治療法です。
ひどい言い方になりますが、
根本的に治す薬はありません。(´;ω;`)
吐き気止めや整腸剤は
きやすめにしかなりませんが、
特に整腸剤は飲めるなら飲んだ方が
いいと思います。
 
最後に、予防についてです。
腸炎は嘔吐物や下痢で
感染してしまいます。
ノロウイルスロタウイルス
アルコール消毒では効果ありません。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液が
必要となってきます。
吐物や下痢で汚れた衣服や家具、床等は
次亜塩素酸ナトリウムで消毒すべきです。
 
そして肝心なことは、
マスクをしながら処理すべき
ということです。
 
脱線しますが、ノロウイルス
ロタウイルスは便1gに
1~10億個存在すると言われています。
そしてそのウイルスが100個程度
体内に入ると感染が成立します。
 
というわけで、マスクをしながら
感染処理した方が賢明です。
そして処理後は
手洗い、うがいを必ず行ってください。
これは大人も子供も一緒です。
手伝った方すべてです。
 
腸炎の時だけでも構いません。
徹底した手洗い、うがいが必要となります。
なぜならば、1人の感染者を介して家族全員が
腸炎になってしまう危険性を
含んでいるからです。
 
冬の手洗いは冷たく
億劫になるかもしれません。
しかし、子供を看病する
母(もしくは父)が、その他兄弟・姉妹が
病気にならないためには
手洗い・うがいは「最大の防御」となり得ます。
 
自分に感染させない、
他人にうつさないためにも
徹底した手洗いうがいをお勧めします。
 
腸炎になったお子様が
1日でも早く回復します様に、
そしてまた家族全員が
元気で過ごせます様に、
小児科医一同願っております。