名もない小児科医のつぶやき

名もない小児科医がひとり言をつぶやきます。

子どもがマイコプラズマ感染症にかかりました! 症状や治療法を教えて!

マイコプラズマという細菌は

そこまで力強くないけれど、

時々、肺炎になっちゃうので

注意が必要だよ! 

 

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皆さんは「マイコプラズマ」という

言葉を聞いたことがありますか?

マイコプラズマ感染症

はやる年もあれば、

流行がまばらな年もあります。

 

よくお母さん方から...

マイコプラズマって

聞いたことないなぁ💦 とか、

聞いたことはあるけど

どんな病気?

という質問は非常に多いです。

 

小児科医にとっては

馴染み深い細菌感染ですが、

巷ではそこまで

知名度は高くないのでしょう。

 

そこで今回は

マイコプラズマについて

ご説明していきます。

 

マイコプラズマとは?

マイコプラズマという微生物ですが、

分類は、細菌の分類に入ります。

マイコプラズマ菌を口や鼻から吸ってしまい、

菌が肺に届き、感染した人の15%が肺炎になります。

 

年齢:

小児期では、学童期にかかりやすいと言われ、

6歳以上の肺炎の60%が

マイコプラズマ感染症と言われています。

 
症状:

症状としては、持続する発熱、乾いた咳、発疹等、多彩です。

熱は7日間以上持続する場合もあります。

 

潜伏期間:

感染してもすぐに発症するわけではなく

2~3週間の潜伏を経て

症状が出現します。

かかってもすぐには症状が

出ないんですね💦

 

検査:

検査方法ですが、

血液検査やスワブ検査(喉の検査)を行います。

 

具体的には、

血液検査:抗体検査(簡単に言うとマイコプラズマと闘う武器を調べる)

スワブ検査:遺伝子検査(マイコプラズマそのものを調べる)

を行い、組み合わせで

感染したかどうかを判定します。

 

厄介なことに、いくつかの検査を行い

その組み合わせて最終的に判定が下されるため、

検査結果がでるまでに時間がかかるのです。

 

治療:

一般的な治療法は、抗菌薬を使用します。

マイコプラズマによく効く抗菌薬があります。

耐性菌でなければ、2~3日で解熱します。

 

まとめです。

これまでの事をまとめますと、

1. 6歳以上のお子さん

2. 7日以上持続する熱と激しい咳

 

は、肺炎の可能性が高く、

 

3. 原因として、マイコプラズマ感染の可能性あり

4. 検査方法は時間がかかる

5. マイコプラズマであれば抗菌薬がある!

 

ということになります。

 

マイコプラズマという細菌は

飲み薬の抗菌薬で

やっつけられる

弱い菌といっても過言ではありません。

 

中には飲み薬が効かず

入院するお子さんもおり

侮れない場合もありますが、

比較的、自宅安静で症状が治まる

細菌感染症です。

 

もしもお子さんが、7日間以上続く熱に加え

咳がひどい状態ならば、

病院受診をお勧めします。

 

マイコプラズマ感染症の検査ですが、

血液検査や喉の検査は

病院によって異なり、

大きな総合病院であれば

行える可能性が高くなります。

 

肺炎になる前に

病院を受診することが

理想と言えますが、

なかなか病院に行けない時も

あるかと思います。

 

万が一肺炎になってしまった場合でも

まずは飲み薬の抗菌薬を処方してもらい

自宅での治療が可能です。

一日も早く熱が下がることを

願いますが、

抗菌薬を飲んで3日経っても

熱が下がらない場合は

再度、病院を受診した方がいいでしょう。

 

今回は、マイコプラズマ感染症について

お話してみました。

マイコプラズマにかかったお子さんが

一日でも早く解熱することを

僕ら小児科医は願っております。

そして、お母さんの心配が取れます様に祈っております。