名もない小児科医のつぶやき

名もない小児科医がひとり言をつぶやきます。

マイコプラズマ感染症ですが、熱が下がりません💦 3つのポイント!

マイコプラズマ肺炎になり

抗菌薬を飲んではいるものの

熱が下がらない場合は、

追加の検査や他のお薬が

必要な状態かもしれません。

 

再度、病院を受診した方が

いいでしょう💦

 

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前回、マイコプラズマ感染症について

お話しました。

今回もしつこく!

マイコプラズマ感染症

お話をさせてください。

 

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マイコプラズマ肺炎で抗菌薬を飲んでも解熱しません( ;∀;)

マイコプラズマ感染症の治療は

抗菌薬です。

まず初めにクラリスロマイシンという

抗菌薬を飲んでもらいます。

 

このお薬を飲めば、

おおよその目安ですが、

10人中、7~8人は熱が下がります。

 

しかし、中にはなかなか熱が下がらず、

入院してしまう場合があるのです。

 

どういう場合に入院となるのでしょう?

 

大きく分けて下の

3つの事が考えられます!

 

1. クラリスロマイシンが効かない

2. マイコプラズマ感染症によって免疫反応が過剰となった

3. 細菌感染症やウイルス感染症が合併した

 

の場合です。

 

さっそく、上の3つを 

ゆっくり説明していきましょう。

 

まずは、 

クラリスロマイシンが効かない>

場合を説明します。

 

マイコプラズマ感染症

クラリスロマイシンという

抗菌薬を選択します。

大部分がこのクラリスロマイシンで

効き目があるのですが...

 

やっかいなことに、このクラリスロマイシン、

よく処方されているのです。

お薬手帳を確認してみるといいでしょう!

 

小児科や耳鼻科を受診した際、

とりあえず抗菌薬を

出しておきましょうと

処方されたお薬の中に

クラリスロマイシンが

出されている場合があるのです。

 

そういう過去があると、

マイコプラズマ菌が

このクラリスロマイシンに対し

耐性を獲得して

クラリスロマイシンが

効かない菌になってしまうのです💦

 

大変ですよね!

必要のない抗菌薬を

飲んだばかりに、

マイコプラズマ感染症にかかり

本当に薬を使用したい時に

お薬が効かない!

という状況が出てくるのです。

 

みなさんは、

耐性菌という言葉を聞いたことがありますか?

 

耐性菌とは、

抗菌薬が効かない菌

もしくは効きが悪い菌

 

と考えていいと思います。

 

菌も抗菌薬に攻撃されるばかりではなく

攻撃から守ろうとするのです💦

 

さて話をマイコプラズマに戻しますが、

耐性菌のマイコプラズマ

もうお薬がないかといいますと

まだ2種類ほど、他のお薬があります。

 

現在は心配いりませんが、

残りのお薬も必要がない時に飲んでしまうと

効かなくなる可能性を秘めています。

後々、とんでもないことになってしまうのです。

これは、僕ら小児科医も

十分、注意する必要があります。 

 

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次に、

マイコプラズマ感染症によって免疫反応が過剰となった>

場合を考えてみます。

 

マイコプラズマに感染すると、

体は免疫応答を開始します。

簡単に言うと、

マイコプラズマをやっつけようと

体の中で、菌を退治する守衛さんが

頑張ってくれるのです。

 

守衛さんは、難しいことばで

サイトカインと言われます。

ほとんどの場合が、

守衛さんは普通にお仕事をするんですが、

その守衛さんが頑張りすぎた場合が

こまったことになるのです。

 

それはつまり免疫反応が過剰になってしまい

体のあちこちで守衛さんによる

過剰な反応がでてしまうのです。

 

例えば、もともと肺炎だけだった症状が

体のあちこちに発疹がでたり、

少ないながらも脳や腎臓にも

症状がでる場合もあります。

 

このように、免疫反応が過剰に

なった場合は、

ステロイド薬という

炎症を抑えるお薬を使用します。

 興奮した守衛さんを

落ち着かせる目的で

ステロイド薬を使用するのです。

 

 

最後に

<細菌感染症やウイルス感染症が合併した>

場合をご説明します。

 

マイコプラズマ感染症

体がやられてしまった場合、

それだけで、免疫機能が落ちてしまいます。

そうなれば、他の細菌やウイルスが

体に侵入しやすい状態となるのです。

 

その場合、細菌感染なら別の抗菌薬を

ウイルス感染の場合は、お薬がないため

熱が下がるのを待つ

ということになります。

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 ふぅ~💦

長旅でしたね💦

疲れでしょう💦

 

 

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少し、一息ついてください。

 

実は、まだ細かいところが

説明できていません...

 

長々と説明しましたが、

医学を理解するには

時間がかかります。

私もすべては理解できていないため

皆様の疑問にすべて

応えられていない事でしょう💦

 

説明したい6割程度を

書いたつもりです...

理解しづらいようでしたら

ごめんなさい🙇 

 

これまでのまとめです。

7日以上熱が続き病院を

受診しました。

熱の原因がマイコプラズマ感染症

判明し、抗菌薬が開始となりました。

しかし、2~3日お薬を飲んでも

熱が下がりません。

と言うような場合には、

 

1. クラリスロマイシンが効かない
2. マイコプラズマ感染症によって免疫反応が過剰となった
3. 細菌感染症やウイルス感染症が合併した

といった、3つの可能性が

出てくるのです。

 

この場合は、やはり病院を受診し

血液検査や胸部X線写真、

ウイルス検査等をおこなわないと

分からない場合が多く、

入院となる場合がほとんどです...

 

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点滴治療がやむを得ない

状況になるでしょう。

 

熱が下がらず、

咳もひどい状態で

看病されるお父さん、お母さんは

とても心配でしょう。

 

我々小児科医も

一生懸命、お子さんの治療に

あたらなければなりません。

 

子どもの健康を願い

親御さんの心配を取るべく 

小児科医は日々精進しなければなりません。

 

すべての子が

健やかなる日を

過ごせますように。

そしてお父さん、お母さんが

笑顔でいられますように!

小児科一同、切に願います。

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