名もない小児科医のつぶやき

名もない小児科医がひとり言をつぶやきます。

熱さましの使い方、3つのポイントです。

お子さんが熱発して、病院へ受診したとします。

お医者さんから、「熱さましも出しておきますね!」

と言う、お決まりの言葉はよく耳にすると思います。

 

熱が出たので、熱さましを使おうかな!

でもどのタイミングで使うのかしら??

今の状態で使ってもいいのかしら?

と思ったことはありませんか?

 

今回は、熱さまし(解熱剤)の使う際に、

僕ら小児科医が伝えたい

「3つのポイント」をご説明します。

 

その前に、熱さましには、

シロップ、粉、坐薬の3つがあります。

どれも効果は同じと思ってください。

飲めるのならシロップや粉、飲めないなら坐薬

という感じで考えていいと思います。

 

では、1つ目のポイントをお伝えします。

それは、「使用するタイミング」です。

「38.5℃以上の熱」があり

「元気がない」場合や「水分摂取ができない」場合

または「眠れない」場合が、使用するタイミングです。

熱が少し下がった事で、少しの間だけでも元気さを取り戻すことができ

その間に飲食したり、眠ることで

体力温存に努めることができ、

次の熱の波に備えることができるのです。

体を休ませる事がとても重要なのです。

 

2つ目のポイントです。

熱さましを使いすぎると、副作用が出やすくなるということです。

熱が下がらないため、2-3時間おきに

熱さましを使う方が時々いらっしゃいます。

熱が高くぐったりしている状態は

とても心配でしょう。

しかし、副作用がない薬と言うのは残念ながら

存在しないのが現状です。

使用する目安としては、1日2回程度。

6時間以上空けることで副作用を気にせず使用できると思います。

 

最後に、3つ目のポイントです。

いくら熱さましを使っても、「病気は治らない」ということです。

熱が出ているということは、体の免疫細胞さんたちが

「病気と闘っていますよ」ってことです。

熱さましは、熱を下げ体力温存に努める道具だということです。

あくまでも病気を治してくれるのは

免疫細胞さんたちなのです。

また、「けいれんを予防できない」ことも重要です。

新しい文献では、熱さましを使用することで

「熱性けいれんを予防できる」という報告もありますが、

それはまだ新しいものであり、すべての子に対し

当てはまるかと言うと疑問が残ります。

 

まとめです。熱さましを使うときのポイントは、

1. 38.5℃以上の熱で、元気がなく飲食できない場合や眠れない場合

2. 副作用が出ないように、1日2回程度、6時間以上空けて使う

3. たくさん使っても、病気は治らない、けいれんは予防できない

の3つです。

 

しかし、病気の勢いが強い場合には

熱さましを使っても熱が下がらなかったり

下がってもすぐに熱が上昇することは多々あります。

お子さんの様子を観察し、お子さんが元気なく

自宅で様子を見ることが不安な場合は

いつでも小児科を受診してください。

 

子どもの熱が心配で不安なお母さんのお役に立てればと

ポイントを3つに絞って書いてみました。

お子さんが早くよくなりますように。。。